· 

老猫みこちゃん その1

 

 

  日中の気温が5度にも満たない木枯らし吹きすさぶ真冬のある日、いつもとは違う道を通った時でした。小さな神社裏の駐車場で、フラフラと歩くペッタンコの猫を発見してしまいました。

その猫は、北風が集めた落ち葉の中に体をうずめて、目を閉じて寝ようとしています。

近づいて触ってみると、パサパサな毛から覗くグシュグシュの目は少し白濁していてよく見えていないようでした。

まるでこのまま凍死してもそれはそれで仕方ないと覚悟しているようで、その姿を見ていると、せめて最期は温かい家の中で迎えてさせてあげたいなという気持ちが湧き出てきました。

そう思ったものの簡単には保護に踏み切れない我が家。

既に多頭であることと、どんな子も保護するには覚悟が要ります。環境が整っているか?金銭的に余裕があるか?看取ってあげる時間があるか?色々なことを考えながら、一旦帰宅しキャリーバッグを持って現場に戻りました。

まぁ、考えたところで結論はいつも同じなんですけどね。

吹き溜まりの中に、相変わらず座っている老いた猫。最期を看取ろう、無抵抗のこの子をキャリーに入れました。

帰宅してからは、やること山積みです。まずはこの子を、組み立てたケージがあるお風呂場に隔離させ、手持ちのレボリューションを滴下!

とっても大人しい、いい子です。落ち着いたら、すぐ動物病院へ。

通常なら便検査、ワクチン、血清検査、血液検査など一連のルーティンをだいたい1週間以内に済ませますが、脱水、栄養失調などがあり状態がとても良くないので、ワクチンは延期。

病院の先生が「保護していなかったら、このまま一日も持たずに亡くなっていたでしょうね」と。

『ええ。そうなんですよ。最期はせめて家の中で迎えて欲しくて』と心の中で言っていました。

「年齢は相当いってるでしょうねぇ」と先生。

「でも、この年までエイズにもならずに生きていけたなんて、とても温和な性格なんじゃないかしら」と看護士さん。

保護したばかりなのに、褒められてなんだか鼻が高くなってしまう私。

神社の裏手で見つけた女の子なので、名前を「みこ」ちゃんと名付けました。

点滴してもらって、色々な注射をしてもらって、温かい寝床と栄養価の高い美味しいフードを与えてお世話する毎日。

最初は、2週間もてばいい方かな、1ヶ月持つかな?なんて思っていたけれど、みこちゃんは生き続けました。

そこから、私達の老猫介護の日々が始まりました。

<つづく>

 

保護時、衰弱仕切っていたみこちゃん


少し回復してふっくらしてきた頃、最初で最後のワクチンを接種しました。


ちなみに、避妊手術はたぶんされているだろうということでした。